資源の有効活用を目的に、廃車から回収された素材を新車部品に再利用する動きが急速に広がっています。住友化学はその一例として、廃車バンパーを粉砕し、独自開発のプラスチックと混ぜ合わせてフロントグリルを製造しています。この部品は、リサイクル素材を使用したことを示すために、白いまだら模様をあえて残したデザインとなっており、ホンダが来月発売する電気自動車(EV)に搭載される予定です。
プラスチックとタイヤのリサイクルが拡大
住友化学の清水雅也課長は、「部品の表情の違いも楽しんでほしい」と述べ、プラスチックの資源循環をさらに広げていく意向を示しています。一方、三菱ケミカルグループでは、使用済みタイヤから「カーボンブラック」を生成する実証実験を開始。2030年度までに年間数万トンの販売を目指し、リサイクルの範囲を拡大させる計画です。
官民連携によるリサイクル推進へ
自動車メーカー各社は既にフロアマットや座席シートなどで再生プラスチックを採用していますが、さらなる活用を目指して、環境省や日本自動車工業会、化学メーカーが連携し、官民一体の会合を来月にも設立する予定です。この会合を通じて、資源循環の推進がさらに加速する見込みです。
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